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ED4【勇利八尋・SHINING LINE*】

日時:2017年10月20日~11月5日
セッションツール: どどんとふ
GM:もにゃ

GM:よしではライブの当日まで時間を進めますよ~! 最後はイサリさんのエンディングです!
八尋:お願いします~
GM:では始めましょう。リクエストは、Floweryのミニライブに参加したい、ということで
GM:さっき言った通り関係者だけのシークレットライブ扱いですね
遼子:シークレットライブ!
GM:では、八尋さんのリクエストの前に少しだけ。予定していたエンディングのシーンを入れたいと思います
八尋:はい
瑞希:おぉ、マスターシーンですね
遼子:ほいほい
GM:あなた達はFloweryのライブが開催されるライブ会場にいます。
GM:やがて辺りが暗くなり、Floweryが檀上に現れました。アオイがマイクを持ち、深く頭を下げています。
アオイ:「皆様、本日はお忙しい中、Floweryのミニライブにようこそ」
アオイ:「まずは、先日のライブ中に起こった事件について、謝罪をさせてください。申し訳ありませんでした」
アオイ:「被害に遭われた皆さまにはもちろん、日ごろ私たちを応援してくださるファンの皆様、そしてそのご関係者の皆様に、多大なご心配をおかけしたこと、深く反省しております」
アオイ:「そして次に。まだまだ課題はあるとはいえ、こうして、活動を再開させて頂けることに、最大の感謝を伝えさせてください。本当にありがとう」
アオイ:「ライブの前に。少しだけ、私の話をしてもいいでしょうか」
アオイ:「今回の事件を経て、私は改めて、この職業が好きなんだと強く感じました」

 アオイは壇上で、まっすぐ客席を見据えている。
 Floweryのメンバーも、観客としてそこにいる者たちも、そんなアオイを優しい瞳で見守っていた。
 「最初に思い出したのは、初めてステージに立ったときのことです」
 戦いに明け暮れて、この力は人を傷つけるだけなのだと思い知って、最期の賭けのように、「その扉」を叩いた。
 アイドルなんて。人から隠れ、人を欺き、人を害するだけだった自分とは、真逆の自分になる世界の扉だ。
 「デビュー前の私は……色々なことに絶望して、自棄になっていて、惰性で生きていました。そんなとき、とある人から「諦めないで」と、手を差し伸べられました。私は歌が上手いのだから、アイドルにでもなってみたら――そう、第二の人生を始めることを勧められたのです」
 普通の人間と、オーヴァード。この世界は知らないところで変貌し、見えないところで壊れ始めている。
 自分たちオーヴァードは「変貌した世界」の住人だ。「世界の壊れた部分」に立つ存在だ。
 壊れた世界で生きて行くのに、理想は重すぎるし、希望は柔すぎる。死に逃げるには、私たちオーヴァードの身体は丈夫になりすぎているし、準ずる他の逃避は「本物のバケモノ」への近道になる。
 好きでオーヴァードになった者は、そうそういない。たいていのオーヴァードは不可抗力によってこの非日常に落ちてくるのだ。
 誰のせいでもない。「運が悪かった」だけ。そう思い、少しでも早く諦め、目の前だけを見て生きて行くのが一番賢い。
 「本当に「第二の人生」なんて始められるのか。結局、気味悪がられて拒絶されるんじゃないか。そんなことを思いながら、でも、これでダメなら「終わらせれば」いいんだ、なんて罰当たりな考えで、私はこのFloweryを創りました」
 ……そしてデビューの日。初めてのステージに立つまでのアオイは、心の底からそう思っていた。
 「でも、すべての不安は、ステージに立ったその瞬間。吹き飛んでいました」
 今でも鮮明に覚えている。あの光も、歓声も、笑顔も、「また、もう一度」を約束してくれた人たちの顔も。
 もう手に入ることは無いのだと諦めていたものが、アオイの目の前に広がっていた。まだ諦めなくていいのだと、あの日、あの光景のすべてがアオイに教えてくれた。
 「スポットライトや、こっちを見て歓声をあげるファンのみんなや、終わらない音楽。ちょっとキザな言い方になるけれど、きっと――」
 そこまで言ってから、アオイは少し照れたように微笑む。言いたいような、言いたくないような、心がくすぐったくなる感覚。

 壊れた世界で生きていくのに、理想は重すぎる。
 変貌した世界で日々を過ごすのに、希望は柔すぎる。
 ――そんなことはない。どんな世界で生きていようと、どんな境遇に落とされようと、理想を掲げていい。希望を持っていい。
 手を伸ばすのに、ほんの少し、勇気を持つことができるのなら。
 きっと誰だって、その夢に恋をしていい。
 
 「私は、あの光景に恋をしたんだと思います。一生に一度の、私が死ぬまで、想い続けられる恋を」

 アオイの表情は柔らかく、ほんの少し恥ずかしそうに頬を染めている。
 「……話が長くなってごめんなさい。私の話はこれでおしまいです」
 そして彼女が仲間を振り返った時、その表情はもう、Floweryを率いるリーダーのものになっていた。メンバーたちは眩しそうに、帰ってきたリーダーを見て微笑んでいる。
 「お待たせ。じゃあ、始めましょう。新生Floweryのファーストライブを!」
 力強く言うアオイに、Floweryの四人が頷く。示し合わせた通りの動きで、息をぴったりと合わせてステージを蹴る。
 そして一曲目の準備が整った。ステージの真ん中に立つのは、アヤメだ。
 「最初は、私の初メインボーカルの曲です! ずっと憧れていたアイドルの、カバー曲です」
 嬉しそうに声を弾ませてアヤメが言う。拍手が起こり、曲が始まった。
 響くコーラスと明るい音楽。ステップを踏み始めた足取りは軽い。

 ステージを見上げる八尋は、その光景に自然と笑みを浮かべていた。
 ああ、やっと見られたなあ、と思う。今回の任務は大変なものになったが、この光景を見ることが出来ただけで報われる、と思えた。

 ……従妹の彩夢は、傍目にも、歌やダンスの才能に溢れる少女ではなかった。
 そんな彼女が「アイドルになる」という夢を叶えるのに、一体どれほどの努力を積み重ねたのだろう。
 知っているつもりでも、きっと八尋にも把握しきれないほど、たくさんの努力をしてきたに違いない。
 「(この曲を聞いて、彩夢が『私もなりたい』って言ったんだったな)」
 最初にこの曲を聞いたのはどこでだっただろう。それさえ八尋は曖昧だ。
 けれどそのとき、目を輝かせて「私もなりたい」と言った彩夢のことは覚えている。

 『お兄ちゃん、私もなりたい。アイドル! ねえ、なれるかな?』
 
 あの日から今日まで、強い想いと希望をもって努力したからこそ、彩夢はアヤメとしてあそこに立っている。
 この曲を聞いていれば、それが伝わってくる。
 夢に向かって一心に進む彩夢やその仲間たちが、八尋には少し眩しい。幼い頃の「なりたい」を諦めてしまった自分には。
 「(でも、だからこそ。これを聴けば――分けてもらえると思ったんだ)」
 前に進む力を。諦めない強さを。
 
 
八尋:イサリは下を向きながら大きく拍手をします
GM:アヤメはときおり、イサリにも分かるくらいちゃんとイサリの方を見て歌って踊ってます
GM:アヤメにとってイサリは憧れのお兄さんでもあるので、きっと聞いてもらえて嬉しいのではないかなと思います
八尋:そんな彼女の、彼女たちの夢を守れたことを誇りに思い大きな満足を感じています

GM:……ありがとうございます、本当に、グッドエンディングでした!
GM:ちなみにノーマルエンディングだったら、ライブは遠慮してもらおうと思ってたんですよ。最後のアオイの告白も、手紙で届く予定でした
八尋:あ、危なかった
遼子:グッドエンドでよかった…
GM:正真正銘、皆さんが勝ち取ったエンディングってことです!w
夜美:いえーい!

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